2008年10月11日土曜日

記録風に(攝津幸彦十三回忌/作品番号8)・・・筑紫磐井

記録風に(攝津幸彦十三回忌/作品番号8)

                       ・・・筑紫磐井

攝津幸彦十三回忌が、9月28日(日)昼から東京グランドホテル芙蓉の間で行われた。田中眞禅氏(資子氏実兄。資子氏は信貴山朝護孫寺の一坊の出身)により法要を執り行う。このホテルは曹洞宗系なのだそうだ。法要後、偲ぶ会が行われるが、従って精進料理。筑紫の司会で、攝津資子氏の挨拶、大学でも俳句でも最も古い友人の伊丹啓子氏、攝津幸彦がつとめていた広告会社旭通から蜂須賀光彦氏の挨拶、そして俳句の盟友澤好摩氏の献杯。29名が3つのテーブルに分かれて思い出を語り合った。1分スピーチのそれぞれの長いこと長いこと。

なお、創刊同人の藤原龍一郎氏は手違いで欠席。攝津幸彦を語る際なくてはならぬ同じく創刊同人の大本義幸氏(攝津氏とは、「日時計」「黄金海岸」「豈」と終始一緒であった)は病後でもあり、不参加の返事を頂いた。本来この種の会には必ず来るべき創刊同人の長岡裕一郎氏はこの4月になくなり、先週21日(日)に偲ぶ会が行われたばかり。そういえば、旭通でも攝津氏とよく旅行をした(平成8年3月の北陸旅行が最後だそうである)松永博氏が亡くなり、13年の歳月を感じさせた。会の締めは手術直後をおしてこられた大井恒行氏(すっかり元気なのでご安心を)。以下敬称略。

[第1テーブル]山崎十生(豈創刊同人で「紫」主宰)、蜂須賀光彦(旭通局長で、攝津氏の関西学院大学の後輩)、長瀬充夫(スタジオエッジ、攝津氏の関西学院大学及び同大映画研究会の後輩)、須藤徹(89年「豈」入会、「ぶるうまりん」代表)、澤好摩(「円錐」代表、「俳句研究」で高柳重信の片腕をなした人)、伊丹啓子(「青群」主宰。「青玄」主宰だった伊丹三樹彦氏の娘で、関西学院大学で攝津氏を俳句に引きずり込んだ張本人)、池田澄子(95年「豈」入会、句集・評論集と大忙し)、川名つぎお(92年「豈」入会、三田碧の会を主宰し現俳協理事、句会の捌きの名手)。

[第2テーブル]生野毅(06年「豈」入会、今回参集の豈同人で唯一攝津氏と未見の人だが最近攝津幸彦の句を朗読する会を開催)、堀本吟(92年「豈」入会、ヒコイズムの会・北の会などの世話役で関西の実質的支部長)、高山れおな(93年「豈」入会、週刊ブログ豈weeklyの管理人)、酒巻英一郎(94年「豈」入会、豈事務局長。攝津幸彦の不治の病を看取った人)、恩田侑布子(96年「豈」入会、親子そろっての秀才俳人)、中山三樹(00年「豈」入会、現編集部)、早瀬恵子(92年「豈」入会、現編集部)、仁平勝(元「豈」同人で俳壇切っての論客)、樋口由紀子(96年「豈」入会、著名な川柳作家)、大井恒行(豈創刊同人で、現編集人)、筑紫磐井(90年「豈」入会、現発行人)。

[第3テーブル]攝津資子(攝津幸彦氏夫人)、攝津時彦(攝津幸彦氏長男。現在一橋大学経済研究所に在籍)、攝津麻由子(時彦氏夫人)、翠(時彦氏長女。3歳)、茜(時彦氏次女。6ヶ月)、田中眞禅(資子氏実兄)、韮沢菜穂子(スタジオエッジ)、塩川昭子(旭通で攝津氏の部下であった)、山口純一郎(元旭通で、攝津氏の関西学院大学の後輩)、堀埜氏(旭通)。

二次会はホテル1階の喫茶店へ大半の人が残る。その後、三次会は浜松町近くの飲み屋へ、澤、恩田、高山、生野、堀本、樋口、筑紫。高山氏の壮大なブログ構想、長岡氏の句集の準備で湧く。四次会はお定まりの新宿のジャズバーサムライへ、筑紫、生野で。店主宮崎二健氏を交えて、俳句、ブログ、朗読とパフォーマンスを語り合う。(10.8)





 
後列=生野、樋口、恩田、中山、高山、仁平、酒巻、川名、堀本、山崎、伊丹。
前列=早瀬、大井、須藤、攝津資子、池田、筑紫。

【攝津幸彦略歴】1947年1月28日~1996年10月13日、享年49歳。関西学院大学に入学し映画研究会に参加したが、伊丹啓子に誘われ関学俳句会で俳句を始め、坪内稔典、澤好摩らと同人誌「日時計」(のち「天敵」「黄金海岸」に分かれる)を創刊。70年、東京の広告代理店旭通信社に入社(没年には雑誌部部長)。73年『姉にアネモネ』刊。このころ高柳重信の50句競作に入選し注目を浴びる。74年大本・坪内らと「黄金海岸」(4号で廃刊)創刊、句集では、76年『鳥子』、77年『与野情話』を刊行し、若い世代の旗手として認められる。80年には自らが中心となり「豈」を創刊。86年『鳥屋』『鸚母集』、92年『陸々集』、96年『鹿々集』を刊行。没後、『攝津幸彦全句集』新・旧版、『俳句幻景(攝津幸彦文集)』、『攝津幸彦選集』などが刊行される。

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