2008年11月2日日曜日

あとがき(第12号)

あとがき(第12号)


■高山れおな

先週の中村安伸氏に引き続き、高山も風邪をひきかけ、医者で貰った薬をがんがん飲んでしのぎました。中村氏と違って、鼻はすごかったけど、熱は出なかったのでなんとかなったのでしょう。しかし、十一月から十二月上旬にかけては生業の方が約半年ぶりの乱気流圏突入でございまして、週豈危機月間をあらかじめ宣言しておきます。シートベルトをしっかりお締めください。

冨田拓也氏(トミタクと略すのだそうです)の「俳人ファイル」第二回は小宮山遠。戦後復興期の苛烈な時間を、彗星のように横切った青春俳句の鋭さは今なお色褪せていないようです。『蟹工船』ブームの世に、こういう若手がまた出てよさそうなものと思わないではありません。冨田氏の鑑賞も簡潔にして鋭い。

江里昭彦氏の「身体俳句曼陀羅」も第二回。喉はともかく、ヒゲと舌というちょっとお間抜けな部位がキーワードとなります。高山も鼻下と顎に少々ヒゲを蓄えておりますが、権力者の模倣というのでもなく、性的能力の誇示でもなく、文化的小道具でもないように自分では思っています。じゃあ、なんなんでしょう。ヒゲを剃った場合の鼻の下のつるっとした感じがいやというのはありますが。

青山茂根氏の「パレットの回路」は、かつて油絵を習った際の経験から照射を受けながら、俳句を作る行為を分析しています。具象から抽象に飛ばしをかけるという、みずからの手法の認識が面白い。惜しむらく、そうして出来た彼女の俳句が引かれていませんが、「週刊俳句」の先週号に五十句が掲載されています。豈本誌での最近の秀逸も二、三ご紹介しておきましょう(「―俳句空間―豈」第四十六号)。

虎落笛死せる珊瑚のごと街は
蟇にも流紋を着せてやる
コレラコレラと回廊を声はしる


筑紫磐井と高山は、またしてもシンクロ。師弟ですから、「切って」も「切れぬ」仲なのでございます。


■中村安伸

小学生の頃からつきあいの深い友人が結婚することになり、奈良に帰省しております。この機会に関西方面の方々と旧交をあたためたかったのですが、祖父の介護等もありなかなか時間が自由になりません。それでもなんとか正倉院展は覗いて行きたいのですが……。

一度お休みをいただいたことにより、若干緊張の糸がゆるんでしまった感があります。
そのようなわけで私の記事は月曜朝くらいになりそうです。ご容赦ください。

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ようやく記事のアップ完了いたしました。大幅に遅れてしまい申し訳ございません。(11・4日追記)


▲▲▲▲▲▲▲▲▲「豈」発行人からのお知らせ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
■「―俳句空間―豈」47号発行予定:11月10日(申し訳ありませんが少しずれ込みます)
■イベント:
 豈忘年句会:恒例の忘年会を兼ねた横浜吟行句会を「蛮」と共同で11月22日(土)に予定。
  句会:波止場会館1F多目的室(大桟橋入り口/海岸通1-1)
/12時受付開始・1時出句締切、会費1000円
  懇親会:中華街「廣東飯店」/18時より/7000円
■同人の出版:
 高山れおな『ウルトラ(新装版)』(沖積舎)10月20日/3000円
 大本義幸『硝子器に春の影みち』(沖積舎)10月30日刊/2800円
 貞永まこと、長岡裕一郎句集近刊予定。

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