2009年10月25日日曜日

あとがき(第62号)

あとがき(第62号)


■高山れおな

関悦史さんの「天使としての空間―田中裕明的媒介性について」は、第11回俳句界評論賞受賞論文です。初出は「俳句界」2009年6月号。再録をお許し下さった同誌編集部に感謝します。

さて、この論文について、〈冒頭に中沢新一の縄文土器の考察から「稚児性」を借りて、天使性との関わりを考えるのも強引〉と批判しつつも、

論自体が具体性に富み、目指すところに文学的な詩情がある。

と述べるのは、同賞選考委員の宮坂静生氏の選評。また、同じく選考委員の岸本尚毅氏の選評は、

「田中裕明的媒介性について」という支離滅裂な副題の通り、天使性、稚児性などというワガママな概念設定から裕明の句へ急接近する。極めて独断的な筆致を通して、裕明の本質に迫っていることに驚く。

と、あきれ顔で賞賛しています。というわけで未読の方はどうぞ、関さんの天使的ワガママをご堪能願います。わたくしも来週あたりからまたワガママにやりたいと存じます。


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