2008年11月6日木曜日

おしらせ(第12号)

おしらせ(第12号)



▲▲▲▲関西「豈」からのお知らせ▲▲▲▲

『林田紀音夫全句集』読書会

3、4ヶ月ごとに集まりよみあわせる、というのんびりした企画です。連絡も随分おくれてしまいました、が貴重な機会、関心のあるかたは是非参加され、その場で一緒にお話ください。

場所 大阪市立城北市民学習センター 第二会議室(近畿短詩形研究会 読書会 で掲示)

  (最寄り駅 谷町線 関目高殿下車4番出口 徒歩5分以内)

日時 十一月九日午後一時より

内容 レポーター。野口裕さん。

 紀音夫全句集より「風蝕」「幻燈」以外の未公表部分の抜粋を鑑賞。

    一句一句をよみすすむというのが野口さんのやり方です。ただし、ほぼ1万句あります。ただし、ピックアップしたレジュメを当日に持参しますから、ご安心下さい。

全句集を所持の方は、自分でピックアップしてきてください。(野口 裕。堀本 吟)

問題提起  『風蝕』、『幻燈』の二句集をよんで、句に即して紀音夫の作り方をみてきましたが、いまひとつ。皆さんの中に紀音夫像が明快に出ていないような気がします。

 ① はこの句集の刊行によって「無季俳句作家林田紀音夫」という伝説が崩れたことにもよるのではないか、とおもいます。

 ② しかし、無季俳句をくぐった季語の使い方は。有季絶対派とどれほど違っているのか、まだ検討されていない。「無季&有季」論を強行するための格好のテキストです。

 ③ 無季俳句の難しさに苦闘した林田紀音夫の、俳人としての苦闘や葛藤を理解しようという読者が少ない(十分な批評がまだでていない)。

 ④ 俳句の詩性(隣のジャンルではよく川柳の「詩性」が問題になりますが、)と言う視点で林田の魅力をさぐることも、まだのこされたしごとです。

 ⑤ 群盲象を撫でる、の感が在りますが、句集を読みながら生じてきた問題を、野口さんだけではなく皆さんもすこしづつまとめて、報告していただけたらと思います。

紀音夫全句集をここまで読み込んで居るのは、現在では、野口さんタダ一人、かもしれません。今回もその紀音夫体験をたたき台に、俳句の多様性を理解しましょう。

  ミクシィ「の愚痴言うたか?」さんの日記欄、も参考になります。

  ウェブ「週刊俳句」に野口裕名でその抜粋連載中・

お知らせ 催しなど 日程

● 十一月十五日 神戸文学館 二時より二時間

   シンポジウム  女性と身体表現‘司会 (大橋愛由等)

パネラー:たかとう匡子(詩)彦坂美喜子(短歌)、堀本 吟(俳句)、樋口由紀子(川柳)

● 十二月十四  神戸三宮「カルメン」 一時より、五時から懇親会

   忘年句会 (連絡は丸山巧、樋口由紀子)

北の句会、この読書会。川柳人ひごろの仲間達で超ジャンルの年忘れ。初参加歓迎。

● 大本義幸句集『硝子器に春の影みち』(沖積舎 2800円)  

大本義幸さんが高校時代から現在までのほぼ全句を一冊にしました。

入魂の句集、迫力あります。ぜひ購入して読んでください、感想を待っておられます。(以上)

                               (文責  堀本 吟)



▲▲▲▲「豈」発行人からのお知らせ▲▲▲▲
■「―俳句空間―豈」47号発行予定:11月10日(申し訳ありませんが少しずれ込みます)
■イベント:
 豈忘年句会:恒例の忘年会を兼ねた横浜吟行句会を「蛮」と共同で11月22日(土)に予定。
  句会:波止場会館1F多目的室(大桟橋入り口/海岸通1-1)
/12時受付開始・1時出句締切、会費1000円
  懇親会:中華街「廣東飯店」/18時より/7000円
■同人の出版:
 高山れおな『ウルトラ(新装版)』(沖積舎)10月20日/3000円
 大本義幸『硝子器に春の影みち』(沖積舎)10月30日刊/2800円
 貞永まこと、長岡裕一郎句集近刊予定。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

編集部さま
さっそく「お知らせ」欄に載せてくださってありがとうございます。まさに迅速に皆さんにしらせることができます。今回は、日が迫っているので、これから予定は立てられない方がおおいとおもいますが、関西の豈同人がかかわっている動きにご注目ください。
これから、関西の俳句とその周辺事情、積極的に寄稿して情報を拡げてゆきたいとおもいます。
少々交通費はかかりますが、読書会や、忘年句会に臨場希望の方、大歓迎です。おしらせください。(堀本 吟)

Unknown さんのコメント...

 11月、15日の神戸文学館のシンポジウム無事終了。大橋さんは、風邪をこじさせて、数日間水だけで、いきのびて、でも、責任上、ということもありそれを感じさせぬ気丈な司会振り。
 ここは洋館作りの洒落た建物、昨年できたばかり。神戸出身の作家、神戸にちなんだ文学書をあつめています。会場は40名ほども入ればその場所が埋まるこじんまりしたところです。土曜日ごと、文学にちなむ講座を開いていて、これもその一つです。
 私達のシンポは、そもそも大橋愛由等さんの神戸ッ子魂から生まれた企画、震災を経験して、街の復刻とともに精神のルネッサンスをめざして、立ち上がってゆく市民の文化活動のきっかけの一つになってゆくはずです。
 
 俳句の発表では、(新興俳句)故桂信子、故藤木清子、伊丹公子、(伝統俳句)稲畑汀子、山田弘子。の句集から、身体表現や女性性に関わる句をとりあげました。いまは尼崎在住の伊丹公子さんご本人が来てくださったのには、恐縮且つ感激、(先日の東京の攝津幸彦を偲ぶ会では、伊丹啓子さんとしたしくおはなししたばかりです。(伊丹公子さんは詩人としても有名。いちど書いておきたいことがあり、いま資料をあつめています。)

 川柳では、樋口由紀子さんが、去年時実新子を取り上げ、ことしは、より大衆的な場面で人気をもっている森中恵美子のことを。
短歌は彦坂美喜子さんが、石橋妙子、尾崎まゆみという神戸の歌人。詩では、たかとう匡子さんが、象徴詩の多田智満子の『薔薇宇宙』をエロスの暗喩というように解説されました。
 詩の方では、「女性」詩という言い方を辞めようという動きがあるそうですが、これも宜べなるかな。関係づけのむづかしい題材でした。でも。ネイティブな要素はつねに生き残り表現の大きな動機となることはかわらないおともいます。
 と言うような、大きなテーマにきづかされた一日でした。簡略ながら、ご協力のお礼とご報告を申し上げます。(堀本 吟)