2008年9月13日土曜日

あとがき(第5号)

あとがき(第5号)

第3号から「俳句九十九折」を寄稿して下さっている冨田拓也氏に加え、第5号では佐藤文香氏から池田澄子著『あさがや草紙』の書評を頂戴した。『あさがや草紙』はまさしく当代に“俳文”を称して恥じざる書物だが、文香氏の書評もそれにふさわしい雅趣をたたえていよう。失礼ながら祖母と孫娘ほどにも年の離れた二人の丁々発止が、ガーリーかつインティメイトな言語的異境を生み出していて、ちょっと真似できません。くねくねほんわかした行文のうちに、押さえるべきはきちんと押さえられているのをお読み落としなく。

一方の「俳句九十九折」、いよいよ話が核心に触れつつある感あり。おそろしいことにこのメディアはこの先いくらでも書けてしまうのですから、ゆったり構えて個々の作家に今少しずつ踏みとどまるもよろしからん。さらなる展開に期待。

次号には世界俳句協会会員で詩人の湊圭史氏が登場。俳句批評におけるある作業仮説を脱構築するビビッドな実践論とだけ、今は申し上げておく。お楽しみに。

冨田氏、佐藤氏、湊氏ら、「豈」外部からの寄稿、心強くも有難い。深謝。「豈」城本丸二の丸の方々も、早く真田丸の応援に駆けつけられたし(御大将はすでに御出馬です)。

                             ・・・高山れおな




やっぱり「マガジン的」なものには「編集後記的」なものがないと、ということで今回より「あとがき」を設けました。

・初参加の佐藤文香氏、池田澄子氏との深い絆がうかがえる好エッセイです。

・「九十九折」も三つ目の角にさしかかった冨田拓也氏、ビジョンが具体化されてきました。

・筑紫磐井氏は前回の猪村直樹にひきつづき、若年で句作を中断した武藤尚樹について。ふたりとも名前がナオキなのも、第一句集を出したあとに俳句から去ったことも共通しています。ちなみに記事末尾には「「豈」発行人からのお知らせ」がありますので「豈」関係者も、それ以外の方もお読み逃しのなきように。→「「豈」発行人からのお知らせ」は、「あとがき」内へ移動しました。(9/18)

・高山れおな氏はふたたび『鑑賞 女性俳句の世界』を第一巻に立ち戻って読んでいます。石鼎の〈あるじよりかな女が見たし濃山吹〉で有名なかな女や、講談、浪曲の「秋色桜」でおなじみの秋色など、トピックが豊富に盛り込まれました。

・私、中村の「佐藤文香句集『海藻標本』を読む」は今回が最終回です。

                             ・・・中村安伸




▲▲▲▲▲▲▲▲▲「豈」発行人からのお知らせ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

■「―俳句空間―豈」47号発行予定:10月中(今のところ特に変更なし)

■イベント:
長岡裕一郎を偲ぶ会:9月21日(日)2時より、アルカディア市ヶ谷にて。
「円錐」「豈」の有志が企画発起。

攝津幸彦13回忌法要:9月28日(日)に攝津家により。
豈忘年句会:恒例の忘年会を兼ねた句会を11月22日(土)に予定。

■同人の出版:
池田澄子『あさがや草紙』(8月29日角川学芸出版刊) 1714円
『貞永まこと句集』近刊予定。

2 件のコメント:

さんのコメント...

トミタクは蛇笏だったのだと気づかされたのは今週号の収穫ですが、考えてみれば彼が濃厚な影響を受けたはずの宮入聖は、蛇笏晩年の弟子でした。おお、浮かび上がる闇の師系!」(れおな)

 宮入聖も蛇笏も、「伝統系」と言われる場所を単独者の風貌で歩いてきた人です。ある意味では、俳諧人の風狂の理想を体現していたのかも知れません。
トミタクさんが「闇の師系」につながるという感想はユニークだし、また貴重ですね。

「ジャングル大帝れおな」がお休みされるのは、お仕事が多忙すぎると言う理由ですか?健康面の心配もあるし、
この、「俳句空間ー豈ーweeky」は、ひじょうに面白いスタイルの批評誌になりつつあるから息長く続けませうよ。裾野が広がっているのではないでしょうか?
安伸氏とお二人、管理人の席でしばらく休まれて疲れが治ったらはやく復帰してください。
私の予告の書架エッセイ『書物の影』も、そろそろ生駒山から発信しようかと・・・。

冨田拓也 さんのコメント...

「闇の師系」ですか……。
まあ、私はただの野良犬(野良猫?)に過ぎないでしょう。
次回の「俳人ファイル」誰を取り上げようかと思っていたのですが、これで決まりましたね。

今号は福田基さんが登場されたのには、驚きました。
福田さんの人生までわかりました。

恩田さんの句集、私は「藤」の連作が面白いと思いました。
あれで100句くらい書き上げて欲しいところ。
まだ恩田さんには御礼も申し上げていないのですが(ごめんなさい)。

では、堀本さんの書架エッセイ『書物の影』を拝読できる日をいまから鶴首いたしております。

あと、忘れていましたが、宮入聖は蛇笏の弟子ではなく龍太の弟子です。