■あとがき(第97号)
■高山れおな
今週も拙稿は月曜日中の追加アップとさせていただきます。
昨年の『新撰21』に引き続き、筑紫磐井・対馬康子・高山れおなの三名で、『超新撰21』の編集作業を進めております。今回は入集する二十一人のうち二名を公募としましたが、つい先日締め切った時点で六十三編の応募がありました。その二、三日前には版元(もちろん前著と同じ邑書林です)から、だいたい三十編くらいになるのではないかという見通しを聞いていて、予想よりだいぶ多いなと思っておりましたら、締め切りまでのラスト四十八時間程で倍増したもののようです。
本日(六月二十七日)中に編者それぞれが推薦する五、六篇を決めて互いに通知、週末七月二日には都内某所で選考会議を行なう流れです。このあとがきを書いている時点では、どれを推薦作とするかはまだ決めておりませんが、すでに自分なりの一次選考は済ませて十数編までは絞っております。その十数編はまずは感服したもので、私としては全て入集の資格ありと考えるものばかり。そこから五編にし、さらに編者三名で二編にせねばなりません。何はともあれ、悔いの残らぬようにしたいと思います。多数のご応募、有難うございました。
『新撰21』『超新撰21』はいずれも、第一回及び第二回芝不器男俳句新人賞の選考を重要な情報源にしています。一方、現在話題沸騰中の第三回の成果については、時間的なタイミングの問題から編集に反映させることはできませんでした。第一回の冨田拓也氏、第二回の杉山久子氏という顔ぶれを見ると、前二回は少なくとも本賞に関してはある種の完成度をクリアしていることが要件になっていた印象があります。それに対して今回本賞を受賞された御中虫さんは、完成度とは異なる、いわば直接性の強度によって選ばれた感じがします。御中さんの作品のベクトルは個人的な背景に強く規定されているようですが、彼女のようなタイプの作品が大きく顕彰されたことに時代の流れが思われてなりません。比喩的にいえば、初諸子がどうしたというようなグルメ俳句に典型的な胎内ナルシシズムの夢破れ、リアルの星がコンビニのおでんの上に輝きはじめたようです。
芝不器男賞といえば、当ブログ管理人の中村安伸氏が対馬康子奨励賞を受賞しました。中村さん、おめでとうございます。
■中村安伸
第三回芝不器男俳句新人賞、対馬康子奨励賞を受賞いたしました。関係各位、祝福してくださったみなさま、まことにありがとうございました。
さて、今回の芝不器男賞の対象年齢は、ほぼ『新撰21』と重なるのですが、受賞者の顔ぶれ、作品の傾向ともに『新撰21』のそれとは大きく変化しているのが印象的でした。
これまで俳句甲子園組に押されるかたちで、すこし目立たない感のあった30代の作者が今後台頭し、いわゆる「俳句想望俳句」とは別の潮流が表面化していけば面白いのではと思います。
2 件のコメント:
読者各位へお知らせ
豈50号を刊行しました。特集①「21世紀を語ろう 10年目の検証」、特集②「21世紀の俳句を占う」、特集③「若き俳人たちを考える」、特集④「特集創刊30周年 創刊・初期同人が「豈」を語る」の力編揃いで、「新撰21」「超新撰21」への言及が多く行われています。
巻頭作品は、現在注目の中村安伸、関悦史の大作80句・100句集。
是非ご覧下さい。
筑紫磐井
初めて投稿させて頂きます。今まで少し気が向いた時に拝見致しておりましたが、先日(?)、「ことり」衝撃を受けました。お恥ずかしい事ながら、私は今まで俳句の著作権については、暗黙の了解というか、つまり、黙認しなければ敵を作るので誰もがそれを恐れているんだと思い込んでいました。ですから「ことり」さんの投稿には「うわッ!!本物の俳人の気骨と誇りのある、本当の意味での新しい俳人だ!!」と感動的衝撃を受けたというワケです。ことりさんの作品も不器男賞のホームページで拝見しましたが、圧倒的で絶句しました。しかも自由律と思ったのも束の間、文字数を指折り数えてみると大幅な字余りは1句のみで他は全て定型数とでもいうのでしょうか…つまり17文字きっかり。しかも季語も全て入っている事には、只々唖然…。自由律ではなく破調の作品だとはその時何とか理解しましたが、17文字の枠の中でここまで自在に読める力は天才にしか出来ないと思います。他の受賞者の方々とは比べものにならない底力と実力は明らかだと思いますが、ことりさんは何故「新撰21」に選ばれなかったのでしょうか…不思議です…。「斧」の吉本伊智郎さん、はりまだいすけさんとはかなり親しいらしい、とカルチャースクールの友人から聞きましたが、滅多に社交の場にも出ない方らしいとも聞きました。「斧」に在籍している人曰く、ネットに公開されている顔写真とは比べものにならない程の美貌の持ち主でもあるそうですね。しかも「斧」の方だけではなく「杉(?)」の幹部同人さんや、とにかく、ことりさんを直接ご存知の方や「六花」をご存知の方々には、作品・論共に正統派実力者(不器男賞の作品は今も作られているそうですがことりさんは「発表はあれが最初で最後」と宣言しているらしいと、これ又カルチャースクールの友人からの情報で真偽はわかりませんが…)の方々にとしてファンがおられるそうですが(全部又聞きですが…)、ことりさんの特集等はなさらないのでしょうか。何という新聞かは失念しましたが全国紙にかなりの大きさで、ことりさんの写真入りの記事が掲載されたこともあるそうですし、「子規新聞」???}にも特集された事がある、と聞き、ことりさんに興味津々なのです。投稿の文面からして、誰にも一切媚びなさそうな姿勢が見える、ことりさんとの対談やことりさんのポリシー等を拝したく思います。お願いです。是非是非実現して下さい!!!
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