2010年5月16日日曜日

あとがき(第91号)

あとがき(第91号)


■高山れおな

今週は関さんによる、志賀康句集『返照詩韻』の書評がなんとしても力作。わたくしも同書刊行直後に書評しましたが、全く異なる切り口です。志賀康的主体の剛強さが、志賀さんの句を面白くもすれば味気なくもしている機微が、よくよく納得できました。

一方、わたくしは男波弘至句集『阿字』を書評しました。こんどは逆に、数号前で関さんが書評した句集です。結果的にわたくしの力量の至らざる点が明らかになってしまうのはお恥ずかしい次第ですが、それぞれの句集にとってはいろいろな読みに晒されるのはよいことだと思います。

久しぶりに諸星大二郎を読み返したらおもしろくて止まりません。未読だった『海神記』という結構な値段の二巻本まで買って読み耽ってしまいました。小説にしても映画にしても馬鹿らしくなりそうなお話、漫画だからこそ生まれる戦慄。志賀さんや男波さんの句の世界にも諸星大二郎的なところがあるわけですが、もちろん俳句だからこその戦慄がそこにはあります。


■中村安伸

5月13日は誕生日でした。30代最後の一年がすでにはじまっております。

前号で予告した新企画ですが、迷った挙句、昔書いた文章を引っ張り出してくるという展開になってしまいました。自分が今一番書きたいことは何だろうかと考えて至った結論ではありますが。


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