2010年1月10日日曜日

あとがき(第73号)

あとがき(第73号)



■高山れおな

昨年末の新撰21竟宴に際して行われたシンポジウムのうち、第二部のパネルディスカッションの記録を掲出しました。テープ起こしをし、改めて読んでみても、自分にとって今後とも考え続けてみたい、さまざまなアイディアの断片が散らばっている感じがして、大いに手応えがありました。なお、前にもお報せしました通り、第一部及び第三部のトークセッションと併せたシンポジウムの記録集が、近日中に邑書林より発行されます。

矢島渚男さんから御著書『俳句の明日へⅢ―古典と現代のあいだ―』(紅書房)を頂戴しました。ゆるゆる楽しませていただいております。見返しに矢島さん御架蔵の宗因晩年の自筆書簡があしらってあり、また宗因についてのエッセイもあり……そんなわけでふと『梅翁宗因発句集』を引っ張り出して読んでみると、まあなんというか面白いです。言葉の弾み具合が半端ではありません。

新春の御慶はふるき言葉哉
立つ年のかしらもかたい翁かな
きのふこそ峯に寂しき門の松
書初や行年七十摂州の住

  老いなばますますがつてんがつてん
七十や何ほどの事千世の春

お屠蘇気分もさすがに抜けてきましたが、ともあれここは新年の句を挙げておきます。三番目の門松の句は、『新古今和歌集』所収の祝部(はふりべ)成茂という人の歌を踏まえているようです。

冬の来て山もあらはに木の葉降りのこる松さへ峯にさびしき

雲英末雄先生が、「宗因は西鶴より上手い」と言っておられたのを思い出したりしました。



■中村安伸

11月に高校時代の友人の音楽ユニットの仲間に入れてもらい、ライブを行ったということを、別のブログ(haiku&me「ならまちライブ」)に書いたのですが、その仲間が作った曲に歌詞をつけるということをはじめてやりました。まだ第一稿が出来たばかりですが、音に言葉を乗せることの楽しさと同時にむつかしさを感じています。

これまで漠然と聞いていた歌詞も、うまく音に乗っているか、などと意識しながら聞くようになりました。


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