2009年6月28日日曜日

あとがき(第45号)

あとがき(第45号)


■高山れおな

山口優夢さんは、正木ゆう子句集『夏至』について書いてくださいました。それ自体としてとても面白いですが、『夏至』という句集に対してどれくらい忠実な読みをほどこしているのかはわかりません。なぜならまだ『夏至』を読めていないので。すみません正木さん。なぜまだ読めていないかについては、拙稿に状況説明あり。

冨田拓也さん「俳人ファイル」は、篠原梵。意外に最近まで生きていたことに驚きました。この人の行程も、俳人としての一典型であるなと、しばし思い入れ。

「遷子を読む」は、秋桜子没後の継承にからむ「馬酔木」の分裂騒ぎについて、筑紫磐井さんによる解説あり。興味津々で読んでいたら、新着の「鷹」は、四十五周年記念号ということで、結社の未来を占う特集を組んでいます。評論あり、座談会あり、対談あり、かなりの充実ぶり。中で、軽舟主宰の巻頭言に、湘子先生が亡くなったら「鷹」は早晩分裂するだろうと言われていたがそうはならなかったという一節あり。難しい一時期を乗り切った手応え、まずは責任を果たした誇り、そういうものを感じての言葉なのだろうと思いました。大変なことですよ、ほんと。

大井恒行さんの連載は「陸」を創刊主催した田川飛旅子。今井聖さんの『ライク・ア・ローリングストーン 俳句少年漂流記』に、印象的な横顔を見せていたのを思い出しました。そうしましたら、現「陸」主宰の中川和弘さんから『現代俳句文庫65 中村和弘句集』が送られてきました。またしてもシンクロニティです。



■中村安伸

初投稿の岡村知昭さんは関西在住の豈同人で、実験的な作風が印象的です。

ただし岡村さんが記事のテーマとしてとりあげたのは、蛇笏賞を受賞した廣瀬直人句集『風の音』という非常に堅実なもので、多少意外な気もしました。もちろん内容もしっかりした読み応えのあるものです。今後、ひきつづいてのご寄稿を期待しております。


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