■あとがき(第41号)
■高山れおな
火曜日に道灌山に登りました。たまたま所用があり、西日暮里駅で下車しましたら、駅前に掲示された地図に道灌山通りとか道灌山下といった文字が見えて、道灌山というのはここらにあるのかと気づきまして、立ち寄ってみたのです。そもそも西日暮里駅で下車したこと自体、初めてだったように思います。山といっても王子の飛鳥山のあたりからつづく台地の端にあたり、東側が崖になって、眺望がひらけているのを山と言っているにすぎないようです。子規・虚子の会見場所を示す案内の碑か看板でもないかと思いましたが、そういうものはありませんでした。ただし、子規を含め、多くの文人墨客にゆかりの地であること、江戸時代には虫聴きの名所であったことなどを記した案内は出ていました。諏訪神社の境内から西日暮里公園にかけて、なるほど眺めはよいのですが、木立が深く、なんだか淋しい場所でした。
同じ火曜日の夕方、山の上ホテルでは山本健吉賞と俳句界評論賞の贈賞式が行われていました。前にも書きましたが、今年度の俳句界評論賞受賞作は、当ブログで「閑中俳句日記」を連載中の関悦史さんの「天使としての空間――田中裕明的媒介性について」。自分への贈賞は山本健吉賞の前座かと思って出掛けたらトリであったこと、受賞者挨拶では「選考委員の先生からは選評に《支離滅裂》とのお言葉をいただいた。今後はもっと支離滅裂なものを書きたい」と述べたことなど、お便りがありました。それにしても関さんは、安井浩司、田中裕明という、当代の重要作者二人について相次いで必読論文を書いたことになります。いよいよのご活躍をお祈りします。なお、当該論文については今週の「週刊俳句」(http://weekly-haiku.blogspot.com/2009/05/20096_31.html)で、上田信治さんが丁寧に感想を記してくださっていれますのでご参照願います。そして何より、「俳句界」六月号に論文そのものが発表になっておりますから、そちらをお読みくだされば幸甚です。
■中村安伸
第113回現代俳句協会青年部勉強会「行動する子規―革新の力学―」が6月13日、現代俳句協会会議室にて実施されますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
詳細は以下を参照してください。
http://www.gendaihaiku.gr.jp/intro/part/seinen/benkyo/benkyo76.htm
0 件のコメント:
コメントを投稿