2008年11月16日日曜日

あとがき(第14号)

あとがき(第14号)


■高山れおな

今週から、恩田侑布子氏が攝津幸彦の百句を鑑賞する新連載「異界のベルカント」がはじまりました。ベルカントとは「美しい歌唱」を意味するイタリア語です。恩田さんのソプラノと、攝津のテノールの二重奏をお楽しみください。

仕事で運慶漬けになっています。仏師の運慶です。先日、その取材で栃木県の足利市に行ってきました。ついでに棟方志功の壁画が出てきたという、桐生市内の古いレストランに立ち寄りました。漆喰の下に塗りこめてあったのです。洋風数奇屋造りとでもいうべき、面白い建物でした。店の名は、「芭蕉」。橋袋に、〈旅人と我が名呼ばれん初時雨〉の句が印刷してありました。


■中村安伸

今号トミタク氏のとりあげておられる「阿部青鞋」の俳句に出会ったのは10年以上前のこと。
俳句仲間との待ち合わせに新宿紀伊国屋の俳句コーナーを指定したのですが、ちょっと早めについたので、何気なく棚にあった『俳句の魅力』を手にとりました。
その強烈な面白さに一気にひきこまれ、待ち合わせの相手が来るまで読みふけったあげく、そのままレジに持ってゆきました。

 *  *

今回私の記事は都合によりお休みさせていただきます。田中裕明第五句集『夜の客人』については次号に掲載予定です。

同句集所載の〈われからに道の岐るる葛の花〉という句が心に沁みます。

0 件のコメント: