■創刊のことば
アジリティとエラボレーション ・・・中村安伸
創刊時のメンバー――これが固定的なものか、流動的なものかもまだまったくわからないが――の中で、比較的コンピュータに関する知識を持っていると思われている私が、当ブログのデザインとメンテナンスを行うことになった。
毎週更新する俳句関連のブログ、という出発点から「週刊俳句」を強く意識していることを隠すつもりはない。実際、ブログサービスは同じもの(Blogger)を使用しているし、デザインテンプレートも色が違うだけで、まったく同じものを使用している。
レイアウト作業を進めるうえで何か問題にぶちあたったとき、「週刊俳句」を参照すると、それがスマートな方法で解決済みである、ということが何度もあったが、躊躇無くその解決策を取り入れることにした。
「週刊俳句」のシステムを考案し、実現してきたさいばら天気さん、上田信治さんに感謝し、その努力に敬意を表するものである。
ただし、われわれがやろうとしていることは、もちろん「週刊俳句」と同じものではない。作品発表を行わない点も異なるし、「俳句空間―豈」という特定のグループとのつながりを鮮明にするという点では、オープンな場を目指す「週刊俳句」の逆を目指すものと言えるだろう。
さて、遅筆であることを自覚している私――自分自身のブログを半年以上放置しているのでもある――が、俳句関連の書評を、しかも毎週書くというハードな企画に参加しようと思ったのは、そのような自分自身を調教し、訓練するためである。今は、綱渡りに挑もうとする芸人のように、冷たく緊張し、熱く興奮してもいる。
さらに付け加えるなら、このブログはインターネット媒体の特性のひとつである「アジリティ(迅速性)」を体現しようとしているものだが、私個人の投稿に関して言うと「いつでも修整可能である」という、もうひとつの特性を重視したいと考えている。いったん発表した文章についても、積極的に練り直し――大江健三郎の言い方に倣えば「エラボレーション」――を行ってゆくことをあらかじめ申し上げておく。
1 件のコメント:
拝見、この媒体のスタイルを積極的に取り入れた進取の心を評価します。
本体豈誌との内容的な連携が楽しみです。
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